家づくりの知識
昼と夜でこんなに違う!夜も美しい住まいの作り方
照明ひとつで変わる、夜の住まいの表情
太陽の光によって、昼間は外壁の色や素材、建物の形などが自然と見えていますが、夜になり周囲が暗くなると、住まいの印象は大きく変わります。
こだわった外壁の色も、お気に入りの玄関ドアも植栽も、夜になると見えにくくなり、どこか暗く寂しい印象になってしまうことも…。
せっかく建てるマイホームだからこそ、昼間だけでなく、夜の外観デザインにもこだわってみませんか?
外観の魅力を引き出す照明
外壁や植栽、玄関まわりなどに照明を取り入れることで、昼間とは違った雰囲気を楽しむことができ、建物の立体感や素材の質感なども引き立つため、こだわりの外観デザインの魅力を存分に感じることができます。
また、照明の配置や光の当て方によっては、外壁素材の凹凸がより際立ったり、植栽のシルエットが浮かび上がったりと、夜ならではの美しい表情も生まれます。
しかし、”住まい全体を明るく照らせば良い”というわけではありません。
光が当たる部分だけでなく、あえて暗さを残すことで生まれる「影」も、外観を美しく見せる上で重要な要素となります。
夜の外観デザインで大切なことは『影をデザインすること』
夜の外観を美しく見せるためには、光と影のバランスを考えることが大切です。
例えば、全体を均一に明るく照らした場合、明るさは確保できますが外観にメリハリがなくなり、平面的な印象になってしまうことがあります。
一方、照らす場所とあえて暗さを残す場所を作ることで、空間に陰影が生まれ、外観に奥行きや立体感がもたらされます。
光を当てる場所だけでなく、あえて光を当てない場所にも目を向けることで、照らしたい場所がより引き立ち、落ち着きや高級感のある雰囲気を演出できます。
「どこを照らし、どこに影を作るのか」を意識することが、夜の外観を美しく仕上げるポイントです。
光の使い方によって、住まいの印象は変わる
照明計画では”どこを照らすか”だけでなく、光の方向や広がり、明るさなども重要になります。
下から上に向かって照らすと対象物の存在感を引き立てることができ、壁面に沿って柔らかく光を広げると落ち着いた印象を演出できます。
さらに、必要な場所だけに絞って照らすことで、メリハリのある空間にすることができます。
このように照明の配置や照らし方を工夫することで、夜の外観は様々な表情を見せてくれます。
夜の外観を美しく見せる照明計画 4POINT!
では、実際にはどのような照明計画を取り入れると良いのでしょうか?
抑えておきたいポイントを4つに絞ってご紹介します。
POINT01|建物を照らして立体感を演出する

外観を印象的に見せるには、建物の形状や外壁の素材を活かした照明計画がオススメです。
例えば、外壁の一部を下から照らすことで、建物の凹凸や外壁の質感が際立ち、立体感のある外観を演出できます。
また、凹凸のある外壁材や天然木などの素材は光の当たり方によって陰影が生まれるため、昼間とは異なる表情も楽しめます。
アクセントとなる壁面や特徴的な部分に光を当てることで、落ち着きある上品な印象に仕上げることができます。
POINT02|植栽を照らして奥行きのある外観に

外観の印象を左右するのは、建物だけではありません。
庭や玄関周りに植えた植栽も、夜の外観を美しく見せる大切な要素です。
例えば、木を下から照らすと枝葉のシルエットが浮かび上がり、幻想的な雰囲気を演出できます。
さらに、植栽と壁面を合わせて照らすことで外観に奥行きが生まれ、より立体的な印象になります。
昼間は自然な木々ならではの色を楽しみ、夜は陰影を楽しめるのも魅力の1つです。
植栽の大きさや成長も考慮しながら、照明の位置を決めておくと良いでしょう。
POINT03|玄関周りは明るさとデザイン性を両立

玄関は来客を迎える住まいの顔でもあります。
見た目の美しさだけでなく、夜の使いやすさにも配慮した照明計画が大切です。
例えば、玄関ポーチにライトを設置する、足元に間接照明を取り入れるなどにより、落ち着いた雰囲気を演出しつつ、玄関周りの明るさも確保できます。
また、アプローチにポールライトを立てれば、夜でも段差や足元を確認しやすくなり、安全性の向上にも繋がります。
さらに、デザイン性のある照明を選ぶと、点灯していない昼間でも外観のアクセントとして楽しめるためオススメです。
POINT04|光は効果的に使い、メリハリをつける

外観の照明計画で大切なことは、照らす場所と暗さを残す場所を使い分けることです。
必要な場所だけを照らすことで光が当たる場所が引き立ち、落ち着きや高級感のある印象になります。
玄関や植栽など注目させたい場所に光を取り入れ、その他の場所は控えめにすることで、自然と空間にメリハリが生まれます。
また、”どこを見せたいのか”を考えることも重要です。
アプローチ、植栽、外壁の質感。
どこに視線を留めて欲しいのかを設計段階で考えておくと、照明計画をスムーズに進めることができます。
【注意】周囲への光漏れには配慮が必要です
夜の外観の照明計画を考える際は、周囲の住宅や道路への光漏れに注意しましょう。
隣家の窓に光が直接入らないようにしたり、道路沿いの立地の場合は通行する人の視界を妨げないようにしたりと、周辺環境に合わせた照明計画を心掛けましょう。
外観に取り入れたい照明の種類
ここからは、照明の種類についてご紹介します。
照明には様々な種類があり、それぞれ光の広がり方や適した設置場所が異なります。空間や目的に合わせた照明を選びましょう。
01|スポットライト

スポットライトとは、特定の場所を照らす照明器具のことで、地面や壁などに設置します。
植栽を下から照らしたり、外壁の一部を照らしたりするのに向いており、木のシルエットや外壁の質感を印象的に見せることができます。
光の広がりが狭く、照らす範囲を調整しやすいため、見せたいものを際立たせる時に効果的な照明です。
02|ブラケットライト

ブラケットライトとは、外壁に直接取り付ける照明器具のこと。
上下に光が広がるタイプや、下方向を中心に照らすタイプなど、デザインや光の広がり方のバリエーションが豊富なため、外観の雰囲気に合わせて選べます。
玄関周りの明るさを確保しつつ、外観のアクセントにもなる照明を取り入れたい方には特にオススメです。
03|ダウンライト

ダウンライトとは、天井に埋め込んで設置する照明器具のこと。
照明が天井から出っ張らないため、すっきりとした印象を保ちながら、必要な場所を効率よく照らせます。
また、複数のダウンライトをバランスよく配置することで光に統一感が生まれ、シンプルでスタイリッシュな外観を演出できます。
04|ポールライト

ポールライトとは、地面に立てたポールの先に照明がついた器具のことで、主にアプローチや庭、駐車スペースなどに使用されます。
足元や通路を照らすのに適しており、夜間の移動をサポートしてくれます。
高さがあるため光が柔らかく広がり、空間全体を優しく照らしてくれる照明です。
照明の色・光の当て方によっても変わる印象

夜の外観の印象は、使用する照明器具だけでなく、光の色味や当て方によっても大きく変わります。
照明器具の種類と合わせて、照明の色味が与える印象と、光の当て方による演出方法についても見ていきましょう。
照明の色味➀ 電球色
オレンジがかった温かみのある光で、落ち着いた雰囲気を演出できます。
木目の外壁やナチュラルテイストの住宅などと相性がよく、住まいに柔らかさや温もりを感じさせたい場合にオススメです。
照明の色味② 昼白色
太陽の光に近い、すっきりとした白い光で、明るく清潔感のある印象を与えます。
スタイリッシュでモダンな外観との相性がよく、ハッキリと照らしたい場合に向いています。
照明の色味③ 温白色
電球色よりも白く、昼白色よりも温かみのある光。
自然な明るさと落ち着きを両立しやすく、外観の素材や色を自然に見せたい場合に取り入れやすい色味です。
光の当て方➀ アッパーライト

地面などに設置した照明から、植栽や外壁に向けて下から上へ向かって光を当てる演出方法。
光がまっすぐ伸びるため陰影を作り出しやすく、ドラマチックで立体感のある演出が可能。
昼間とは異なる印象的な外観となり、夜の外観にアクセントを加えたい方にオススメです。
光の当て方② 間接照明

光源を直接見せず、壁や天井などに反射させて空間を照らす演出方法。
階段下や外壁の凹凸部分に設置することで光が柔らかく広がり、落ち着きある上品な雰囲気を演出できます。
また、光源が目立ちにくいため、照明の存在感を抑えながら、建物のデザインを引き立てることが可能です。
美しさだけじゃない!照明がもたらすメリット3つ

夜の照明には”外観を美しく見せる”以外にも、暮らしを快適にするメリットがあります。
今回はその中でも代表的な3つをご紹介します。
メリット01|夜間の安全性を高める
玄関周りやアプローチなどに照明を設置することで、夜でも足元や周囲の状況を確認しやすくなります。
特に、段差や曲がり角などは暗くなると見えにくくなるため、適切な場所に照明を設置することが大切です。
また、駐車スペースにも十分な明るさがあると、車の乗り降りや荷物の出し入れをしやすくなるため大変便利です。
メリット02|防犯対策につながる
家の周囲に適切な照明を設置することは、防犯対策にもつながります。
明るい場所は人目につきやすく、空き巣や不審者が侵入をためらう心理的な抑止力となるため、玄関周りだけでなく、勝手口や建物の裏側への設置もオススメです。
ただし、照明だけでは十分は防犯対策とは言えないため、窓やドアの防犯対策などと組み合わせて考えることが大切です。
メリット03|帰宅時に安心感を与えてくれる
仕事終わりに帰宅した時、周囲が暗い中でも玄関やアプローチが明るく照らされていると、ほっとした気持ちになるものです。
また、玄関周りが明るく見やすいことは、日々の小さなストレスを減らすことにもつながります。
人感センサーやタイマー付きの照明を活用すれば、帰宅時に自動で点灯させることができるため、共働き世帯でも安心して取り入れることができます。
照明計画で後悔しないために!意識すべき4つのこと

昼も夜も美しい外観を実現するためには、建物の完成後に照明を考えるのではなく、設計段階から一緒に計画しておく必要があります。
家づくりでは建物ばかりに気をとられてしまいがちですが、後回しにせず、外構も一緒に考えるよう心掛けてみましょう。
⒈昼と夜、両方の外観をイメージする
照明器具は夜に点灯している時だけでなく、昼間の外観にも影響します。
照明器具の形や設置場所によっては、昼間の外観の見た目に影響を及ぼす場合もあるため、完成イメージを確認する時は昼と夜の両方のイメージを確認するようにしましょう。
⒉配線や電源の位置を事前に決めておく
照明の設置には、電源や配線が必要になる場合があります。
建物完成後に照明を追加しようとすると、配線工事が難しくなったり、余計な費用がかかったりすることがあります。
照明を設置したい場所がある場合は事前に相談し、あらかじめ電源や配線の位置を検討しておくと、スムーズに打ち合わせを進めることができます。
⒊メンテナンスのしやすさも考える
屋外に設置する照明は雨風や砂ぼこりなどの影響を受けるため、屋外での使用に適した防水・防塵性能を備えた照明を選ぶことが大切です。
また、高い位置に設置した照明は、清掃や交換などが大変になる場合があるため、長く使うことを考えてメンテナンスのしやすさにも配慮しましょう。
⒋予算と優先順位を決めておく
照明を増やすと、その分器具代や施工費、電気代などがかかります。
そのため、どこに明るさが必要なのか、どこを美しく見せたいのかを夜の暮らし方などから考えておくと、優先順位をつけて計画しやすくなります。
「必要性が高い場所から優先的に、植栽やライトアップは予算に合わせて検討する。」
大切なことは、照明をたくさん取り入れることではなく、自分たちの暮らしに必要な明るさと、好みの外観をバランスよく実現することです。
無理のない予算の中で、理想の夜の住まいをつくりましょう。
この記事のまとめ
- 夜の外観デザインで大切なことは、影をデザインすること。「どこを照らし、どこに影を作るのか」を意識すると良い。
- 目的や空間に合わせた照明器具、光の色味、照らし方、設置場所を決めていく。
- 夜の照明は外観を美しく見せるだけでなく、夜間の安全性や防犯対策などにもつながるため、設計段階から一緒に計画していく。




















