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空き家問題は今後どうなる?|土地選びのポイント

 

人口減少時代に知っておきたい住宅市場と家づくり

 

近年、少子高齢化や人口減少などを背景に、日本全国で空き家が増え続けています。

「空き家が増えると新築住宅は必要なくなるの?」
「土地の価値は下がるの?」
と疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

しかし、空き家が増えているからといって、新築住宅の需要がなくなるわけではありません。むしろ、これからは住宅の性能や立地によって、「選ばれる家」と「選ばれにくい家」の差がさらに広がっていくと考えられています。

このマガジンでは、空き家問題の現状や法改正のポイント、住宅市場への影響、そしてこれからの家づくりで大切な考え方について解説します。

 

 

1. 空き家問題とは?

 

空き家とは、人が住んでいない住宅や長期間利用されていない住宅のことをいいます。

「実家を相続したものの住む予定がない」「転勤で引っ越したあと、そのままになっている」など、空き家になる理由はさまざまです。

住宅は人が住み続けることで換気や清掃が行われ、良い状態を保ちやすくなります。
一方で、長期間使われない住宅は急速に老朽化が進み、周囲の住環境にも影響を与えることがあります。

そのため、空き家問題は単に「使われていない家が増えている」というだけでなく、地域全体の課題として考えられるようになっています。

 

全国で空き家は過去最多に


総務省の調査によると、2023年時点で全国の空き家数は約900万戸となり、30年前と比べると約2倍に増加しています。

住宅総数に占める割合(空き家率)も13.8%となり、およそ7軒に1軒が空き家という計算になります。

ただし、この900万戸すべてが放置された住宅というわけではありません。
空き家には、

・ 売却や賃貸のために空いている住宅
・ 別荘など一時利用の住宅
・ 転勤などで一時的に空いている住宅

なども含まれています。

一方で、適切な管理がされず、長期間放置されている空き家も少なくありません。
このような住宅が地域課題となっています。

 

地方ほど影響を受けやすい理由


空き家問題は全国共通ですが、特に地方では影響が大きいと言われています。
その理由として、

・ 若い世代が都市部へ進学・就職する
・ 高齢化が進んでいる
・ 相続した住宅を活用する人が少ない
・ 新たな住宅需要が減少している

などが挙げられます。

一方で、生活利便性の高いエリアや交通アクセスの良い地域では、人口減少が進んでいても住宅需要が比較的安定しているケースもあります。

つまり、「地方だからすべて同じ」というわけではなく、地域ごとの差が大きくなっているのが現状です。

 

 

2. 空き家はなぜ増えているのか

 

空き家が増える背景には、一つの原因だけでなく、社会全体の変化があります。

ここでは、代表的な理由を見ていきましょう。

 

少子高齢化と人口減少


日本では出生数の減少が続き、人口も減少傾向にあります。

住宅を必要とする世帯数が減る一方で、これまで建てられてきた住宅は残り続けるため、空き家が増えやすい状況になっています。
特に地方ではこの傾向が顕著です。

 

相続した家がそのままになっている


近年増えているのが、親から住宅を相続したものの、住む予定がなく管理だけ続けているケースです。
例えば、

・ 自分はすでにマイホームを持っている
・ 遠方に住んでいて管理できない
・ 売却するタイミングがわからない

といった理由から、空き家のまま年月が経ってしまうことがあります。

 

解体費の負担


築年数が古くなった住宅は、解体して更地にするという選択肢もあります。

しかし、木造住宅でも解体には100万~300万程度かかることがあり、建物の規模や立地によってはさらに高額になるケースもあります。

そのため、「費用がかかるからそのままにしている」という方も少なくありません。

 

ライフスタイルの変化


以前は三世代同居が一般的な時代もありましたが、現在は核家族化が進み、実家を継ぐ人が少なくなっています。

また、転勤や進学などで住む場所が変わることも多くなり、住宅を所有していても利用しないケースが増えています。

 

建物の老朽化


築30年、40年を超える住宅では、耐震性能や断熱性能が現在の基準より低い場合があります。

大規模なリフォームが必要になることも多く、その費用を考えると「そのままにしてしまう」という選択につながることもあります。

 

 

3. 空き家を放置するとどうなる?

 

「住んでいないだけだから問題ない」と思われがちですが、空き家を放置することで、さまざまなリスクが生じます。

 

建物の老朽化が急速に進む


住宅は、人が住んでいることで換気や掃除が行われ、湿気がこもりにくくなります。
しかし、空き家になると

・ 雨漏り
・ かび
・ 木材の腐食
・ シロアリ被害

などが進行しやすくなります。

一度劣化が進むと、修繕費が大きく膨らむ可能性もあります。

 

防犯・防災上のリスク


管理されていない住宅は、不法侵入や不法投棄、放火などの被害を受けるリスクがあります。

また、台風や地震などで建物が倒壊した場合、近隣へ被害が及ぶ可能性もあります。

 

景観や地域への影響


雑草が伸び放題になったり、外壁や屋根が傷んだまま放置されたりすると、街全体の景観にも影響します。

地域の魅力が低下し、周辺住宅の印象にも影響を与えることがあります。

 

売却しようとしても難しくなる


建物の劣化が進むほど、売却時の評価も下がる傾向があります。

「もっと早く管理や売却を考えていればよかった」と後悔することも。

 

 

4. 法改正で何が変わった?

 

空き家の増加を受けて、国は対策を強化しています。

その大きな転換点となったのが、2023年12月に全面施行された「改正 空家等対策の推進に関する特別措置法」です。

これまでは、倒壊の危険性が高いなど、深刻な状態になった「特定空家」が主な対象でした。
しかし、それでは対応が遅くなるケースも多かったことから、法改正では”悪化する前に対策する”という考え方が取り入れられました。

その象徴が、新たに設けられた「管理不全空家」という区分です。
管理が不十分で、このまま放置すると特定空家になるおそれがある住宅は、市区町村から指導や勧告を受ける場合があります。
さらに勧告を受けた空き家は、住宅用地に適用されていた固定資産税の軽減措置(住宅用地特例)の対象外となる可能性があります。

つまり空き家は「所有しているだけ」で済むものではなく、適切に管理・活用する責任がこれまで以上に求められる時代になったのです。

 

*固定資産税の軽減措置(住宅用地特例)とは:人が居住するための住宅の敷地に対して、固定資産税と都市計画税の課税標準額を最大で1/6に減額する制度です。

 

 

5. 住宅市場への影響

 

空き家が増えているというニュースを見て、「これから家は余るのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、実際の住宅市場では「空き家が増えていること」と「住宅が必要とされなくなること」はイコールではありません。

近年は、住宅の数よりも”どこにある住宅なのか”、”どのような性能を備えているのか”が重視されるようになっています。
そのため、今後の住宅市場では地域や住宅の条件によって、需要の差がさらに大きくなると考えられています。

 

利便性の高いエリアは需要が安定


人口減少が進んでいる地域でも、

・ スーパーや病院が近い
・ 学校や保育園が充実している
・ 公共交通機関を利用しやすい

といった生活利便性の高いエリアでは、住宅需要が比較的安定しています。

子育て世帯や共働き世帯では、「毎日の暮らしやすさ」を重視する傾向が強く、立地条件が住宅選びの大きなポイントになっています。

 

二極化が進む住宅市場


一方で、人口減少が著しい地域や、生活利便性が低い地域では、住宅需要が減少しやすい傾向があります。
今後は、

・ 選ばれる地域
・ 選ばれにくい地域

の差がさらに広がっていくことが予想されています。

そのため、住宅を建てる際は現在の住みやすさだけでなく、将来のまちづくりや人口動向にも目を向けることが大切です。

 

 

6. 「空き家があるなら中古住宅がお得」は本当?

 

空き家が増えていることから、「中古住宅の方が安くてお得なのでは?」と考える方も少なくありません。

もちろん、中古住宅には価格を抑えやすいという魅力があります。
しかし、建物の状態によっては購入後に大きな費用がかかるケースもあります。

 

◉見えない修繕費が発生することも


築年数の古い住宅では、

・ 屋根や外壁の補修
・ 給排水設備の交換
・ シロアリ対策
・ 耐震補強
・ 断熱改修

などが必要になる場合があります。

購入価格だけで判断すると、想定より総額が高くなってしまう可能性があるので注意しましょう。

 

◉現在の住宅性能との違い


2025年からは新築住宅に省エネ基準への適合が義務化されました。

一方で、築20年・30年以上の住宅は、現在の基準よりも断熱性能や省エネ性能が低い場合があります。
そのため、快適性や光熱費などを比較すると、新築住宅の方がメリットを感じられることも。

 

◉中古住宅が向いている場合もある


例えば、

・ 希望エリアで新築用地が少ない
・ リノベーションを楽しみたい
・ 建物より立地を優先したい

といった場合は、中古住宅も有力な選択肢になります。

大切なのは、「価格」だけでなく、将来的な維持費や暮らしやすさまで含めて判断することです。

 

 

7. これからの土地選びで確認したいポイント

 

これから家づくりを考えるうえで、土地選びは建物と同じくらい重要です。

特に人口減少が進む時代では、今だけではなく、将来も暮らしやすいかという視点が欠かせません。

 

◉周辺環境を確認する


土地を見学するときは、敷地だけでなく周辺環境にも目を向けましょう。
例えば、

・ スーパー
・ 病院
・ 学校
・ 公園
・ 公共交通機関

など、日常生活に必要な施設が整っているかを確認することが大切です。

 

◉ハザードマップを確認する


近年は豪雨や台風などの自然災害も増えています。
自治体が公表しているハザードマップを確認し、

・ 浸水想定区域
・ 土砂災害警戒区域
・ 津波浸水想定区域

などを事前に把握しておくと安心です。

 

◉将来のまちづくりもチェック


現在住みやすい地域でも、将来的に人口構成や商業施設が変化する可能性があります。

自治体の都市計画や開発計画なども参考にすると、より長期的な視点で土地を選ぶことができます。

 

 

8. 人口減少時代でも選ばれる家とは?

 

これからの住宅は、「建てること」よりも「長く住み続けられること」が重要になります。
そのためには、住宅そのものの性能も大切です。

 

◉高い住宅性能


近年は、断熱性能・耐震性能・省エネ性能などが重視されるようになっています。
性能の高い住宅は、快適な暮らしだけでなく、光熱費やメンテナンス費用の軽減にもつながります。

 

◉ライフスタイルの変化に対応できる間取り


家族構成や働き方は、年月とともに変化していきます。
将来的に、

・ 子どもの独立
・ 在宅ワーク
・ 老後の暮らし

なども考えながら、柔軟に使える間取りを選ぶことが大切です。

 

◉長く安心して暮らせる立地


住宅は何十年と暮らす場所です。

通勤・通学の利便性だけでなく、将来車を運転しなくなったときの生活も考えておくと、より安心です。

 

 

 

この記事のまとめ

  1. 空き家が増えている一方で、立地や住宅性能によって住宅需要には大きな差が生まれています。
  2. 中古住宅にも魅力はありますが、購入後の修繕費や性能面も含めて検討することが大切です。
  3. これからの家づくりでは、将来の暮らしや地域の変化も見据えた土地選び・住宅選びが重要になります。

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