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【住宅の評価制度】BELSとは?

BELSとは?

 

 

BELSとは、Building-Housing Energy-efficiency Labeling System の略称で、頭文字をとって「BELS」と呼ばれています。
一言で表すと、建物のエネルギー性能を★の数で評価する表示制度で、★の数が多ければ多いほど良い評価となります。

専門的で分かりにくい住宅の省エネ性能を分かりやすいように見える化し、より環境に良い建物を多く普及させることを目的として導入されました。

BELSは任意の制度ですが、各種補助金やフラット35Sの要件などに活用することができ、取得する方が増加しています。

 

対象となる建物

・住宅
・非住宅建築物 ex)オフィスや商業施設など

*新築・既存建築物、どちらも対象です。
*建築物全体に限らず、フロア単位またはテナントなどの部分単位での評価取得も可能です。

 

BELSの評価方法

・エネルギー消費性能
・断熱性能

評価するのは認定を受けた第三者機関で、上記の建築物を評価方法に基づき評価・認定します。

 

評価方法の改定

BELSの評価方法は、2024年4月1日より大きく改定されました。
この改定は建築物省エネ法の改正に伴うもので、より分かりやすく、実態に即した省エネ性能の表示を目指したものです。

 

【評価方法の主な変更点】

・★の数の表示方法の変更
・断熱性能等級の可視化
・目安光熱費の表示
・住宅性能ラベルの導入

 

以上のことを踏まえた上で、BELSの評価についてみていきましょう。

 

 

BELSの評価項目 ※住宅の場合

 

① エネルギー消費性能

国が定める省エネ基準からどの程度消費エネルギーを削減できているかを★の数で表したものです。

 

② 断熱性能

建物の「熱の逃げにくさ」と「日射熱の入りやすさ」から算出した断熱性能を⌂の数で表したものです。

 

③ 目安光熱費

住宅の省エネ性能と全国一律の燃料等の単価を用いて算出した、1年間の光熱費の目安を表したものです。

 

その他の項目

・再エネ設備の有無

太陽光発電などの再エネ設備が設置されている場合に、「再エネ設備あり」と表記されます。
(再エネ設備なしの場合:「再エネ設備なし」と表記)

・第三者評価BELS

第三者の評価機関により評価されたことを示します。(販売・賃貸事業者による自己評価の場合もあるため)
*ネット・ゼロ・エネルギーの表示は第三者評価の場合のみ表示

 

+ 評価書について

上記の省エネ性能ラベルとは別に、エネルギー消費性能の評価書もセットで発行されます。
評価書には、エネルギー消費性能や断熱性能、再エネ設備などについて詳しく記載されており、各基準ごとの達成状況などについても書かれています。

引用:国土交通省「消費者向けチラシ」

 

 

各項目の詳細

 

① エネルギー消費性能

BELSでは、建物のエネルギー性能をBEI(建物エネルギー消費性能指標)で評価し、それを★マークで分かりやすく示しています。
※BEIが小さいほど、より省エネで優秀な建物となる

 

・再エネ設備がない住宅:「30%以上の削減率」を上限とした5段階評価

・再エネ設備がある住宅:「50%以上の削減率」を上限とした7段階評価

 

 

② 断熱性能

断熱性能とは、「建物からの熱の逃げやすさ」と「建物への日射熱の入りやすさ」の2つの点から、建物の断熱性能を見る指標です。

 

評価は、UA値とηAC値のそれぞれを評価し、どちらか低い方の等級を表示します。
*UA値・ηAC値どちらも、地域ごとに等級の基準値が定められています。

引用:国土交通省「事業者向けガイドライン概要版資料」

 

③ 目安光熱費

目安光熱費とは、住宅の省エネ性能に基づき、一定の設定条件の下で想定される年間の光熱費の目安額を示すものであり、実際の光熱費とは異なります。

 

詳しい計算方法と燃料等の単価については、引用元:国土交通省「事業者向けガイドライン概要版資料」をご覧ください。

 

 

BELSを取得するメリット

 

メリット1|省エネ性能が分かりやすい

BELSの評価は★の数のため、専門的な知識がなくても一目で建物の省エネ性能が分かります。
そのため、比較検討がしやすく、購入や賃貸時の判断材料として活躍します。

 

メリット2|第三者評価のため信頼できる

ハウスメーカーなどが発表しているデータは各会社基準の独自評価の場合が多いですが、BELSは違います。
認定された第三者機関が評価しているため、信頼性が高いというメリットがあります。

 

メリット3|補助金などの申請に活用できる

補助金によってはBELSの評価が必須となっている場合があり、その際に申請時にBELS評価書が必要です。
他にも、フラット35Sや住宅ローン控除などにも活用することができます。

 

メリット4|物件価値の向上

BELSを取得していると、住宅の省エネ性能を証明できます。
これにより住宅の価値が高いと評価され、売却・賃貸の際の価格設定やアピールに有利に働きます。

 

 

この記事のまとめ

  1. BELSとは、住宅の省エネ性能を分かりやすく★の数で評価する表示制度で、★の数が多い程住宅の省エネ性能が高い。
  2. 「エネルギー消費性能」と「断熱性能」によって評価され、再エネ設備の有無によって5段階評価と7段階評価に分けられる。
  3. BELSを取得するメリットとしては、補助金やフラット35Sの申請に活用するなどが挙げられます。

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