家づくりの知識

省令準耐火構造とは?

火災に強い家を建てる

安心・安全に暮らすために欠かせない、火災に強い家。
調べていく中で、耐火や防火、省令準耐火構造など、様々な言葉が出てきたのではないでしょうか?

今回はその中でも、ユウキホームの標準仕様である「省令準耐火構造」についてご紹介します。

 

 

耐火と防火の違い

火災に強い家を考える上で必ず出てくる「耐火」と「防火」。
どちらも同じようなイメージで捉えられがちですが、明確な違いがあります。

省令準耐火構造について理解を深めるためにも、まずは耐火と防火の違いについて整理しておきましょう。

 

耐火

耐火とは、建物自体の燃えにくさのことです。

具体的には、火災が起きた際に、

・建物自体が火災に耐え、倒壊することを防ぐ
・周囲の建物に燃え広がらないようにする

などが「耐火」となります。

【耐火構造】
・壁や天井に火に強い材料を使用する
・燃え広がりを遅らせる工夫を施す

 

防火

防火とは、周辺で火災が発生した場合に、燃え移るのを防ぐことです。

耐火とは違って、外部からの火災を防ぐことを目的としています。
そのため建物内で火災が起こると、耐火構造よりも倒壊や延焼のリスクがあります。

【防火構造】
・外壁や軒裏に防火性の高い材料を使用する

 

 

省令準耐火構造とは?

省令準耐火構造とは、建築基準法に定める準耐火構造に準ずる耐火性能を持つ構造として、住宅金融支援機構が定める基準に適合する住宅のことです。
建築基準法の準耐火構造とは違いますが、それと同等の耐火性能を有する構造です。
※住宅金融支援機構:フラット35などの住宅ローンを提供している所

 

※準耐火構造とは?
建築基準法で定められており、「耐火構造」に準ずる耐火性能をもつ構造で、耐火構造よりも基準が緩やかです。

耐火構造が火災でも倒壊せず、火災がおさまった後は補修すれば建物が再利用可能という基準で建てられているのに対し、
準耐火構造は火災により建物が一定時間(45分または60分)崩壊しない基準で建てられています。

 

 

要件

条件は細かく規定されていますが、以下の4つが主な要件となっています。

① 外壁及び軒裏が建築基準法の防火構造であること
② 屋根を不燃材料で作る、または葺いたもの、あるいは準耐火構造であること
③ 室内に面する天井及び壁は、通常の火災の加熱に15分以上耐える性能を有すること
④ その他の部分は、防火上支障のない構造であること

 

適用範囲

住宅金融支援機構が定めた以下の工法のどれかに適合していることが条件となっています。

・木造軸組工法もしくは枠組壁工法(2×4)住宅
・プレハブ住宅
・住宅金融支援機構が承認する住宅もしくは工法

 

 

省令準耐火構造の特徴

1.隣家などから火をもらわない(外部からの延焼防止)

隣家からのもらい火による火災に備えて、屋根や外壁、軒裏を防火性の高い構造とします。
※要件①、②を満たす構造。

 

2.火災が発生しても一定時間部屋から火を出さない(各室防火)

火災を最小限に食い止めるためには、発生源とその他の部分とを完全に区切る「防火区画化」が重要となります。
省令準耐火構造では、各室を区画する構造とするため、火が他室に燃え広がりにくくなっています。

周囲に燃え移るものが無ければ、徐々に鎮火していきます。
また、壁や天井に石膏ボードなど火に強い製品を使用することで、他の内装などに燃え移るまでの時間を稼ぎ、避難・初期消火の時間を確保できます。

 

3.万が一部屋から火が出ても延焼を遅らせる(他室への延焼遅延)

内部で火災が起こった際、壁の内側や天井裏を伝わって火が燃え広がってしまいます。
火が住宅全体に燃え広がりにくくするため、火災の通り道となる壁や天井内部の要所(壁の内部などの結合部)に木材や断熱材のファイヤーストップ材を設けます。

これにより、建物全体に燃え広がる時間を遅らせ、外へ逃げる時間を稼ぐことが出来ます。

 

 

 

省令準耐火構造のメリット

実は、省令準耐火構造の家は火災に強いだけでなく、他にも様々なメリットがあります。

 

火災保険料・地震保険料が割引

住宅ローンを使う場合、ローンを借りている期間は必ず火災保険をかけなければなりません。
この保険料は建物の構造によって変わり、火災が起きても燃えにくい構造であれば保険料が下がります。

3つの区分のうち、住宅はT構造とH構造の2つに分けられ、省令準耐火構造の家は「T構造」とみなされます。
※構造級別とは、建物の構造による違いのこと。

 


【住宅の火災保険料を比較した画像】

ご覧の通り、T構造である省令準耐火構造の家は、火災保険料がH構造の家と比べて約半額になります。

また、地震保険も同様に、通常の木造建築に比べて保険料が軽減されます。

 

フラット35が利用できる

省令準耐火構造は、住宅金融支援機構が定める基準です。
そのため、その基準を満たした住宅は、全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」を利用することが出来ます。

 

 

この記事のまとめ

  1. 省令準耐火構造とは、準耐火構造に準ずる耐火性能を持つ構造で、住宅金融支援機構が独自に定めた基準を満たしているもの。
  2. 省令準耐火構造は、火事の際に延焼を遅らせたり、もらい火を受けたりしないという特徴がある。
  3. メリットとしては、火災に強い、火災保険料などが割引になる、フラット35を利用できるなどが挙げられる。

 

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