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吹き抜けと光の取り入れ ― 光と風を“デザインする”家づくり

こんにちは。

朝夕の風に少しだけ冬の気配がまじる季節になりました。

日が短くなると、家の中に差し込む光のありがたさをあらためて感じます。

今日は「光と暮らし」をテーマに、吹き抜けについて少しお話ししてみたいと思います。

吹き抜けといえば、まず思い浮かぶのは開放感。そして自然光。

実際、天井が高くなることで視線がぐっと抜け、家の中で深呼吸したくなるほどの気持ちよさがあります。

しかし、吹き抜けの魅力はこれだけではありません。

暮らしやすさに直結する“光と風をデザインする”という、大切な役割も担っています。

■ 光を「奥まで届ける」役割

土地の向きや隣家との距離など、光を取り入れる条件は家づくりのたびに違います。

たとえば、リビングがどうしても北寄りになる場合でも、吹き抜けの高い位置に窓を設けることで、

日中は照明いらずの明るさを確保できます。

高窓は、一般の窓と比べて光が拡散しやすく、家の奥まで届く“やわらかい光”を運んでくれるのです。

■ デメリット①「冬が寒そう?」

吹き抜けについて最も多くいただく心配がこの点です。

確かに昔の住宅では、吹き抜けの冷気によって冬場の寒さを感じるケースもありました。

しかし現在は、断熱材・サッシ性能の進化によって状況は大きく変わっています。

ユウキホームでは

・高性能断熱材

・樹脂サッシ+複層ガラス

・適切な換気計画

などをセットで考えることで、吹き抜けでも“温度ムラの少ない空間”をつくることが可能です。

むしろ、1階と2階の温度差が減って家全体の空気が循環しやすくなるメリットもあります。

■ デメリット②「音やにおいが上階に広がりやすい?」

吹き抜けがあると音やにおいが上下階に抜けやすくなるのは事実ですが、

これは“空間のつくり方”によって大きく改善できます。

キッチン位置を吹き抜けの直下からオフセットする設計

排気と給気のバランスを調整した換気ルートの最適化

ホール・廊下に“音の溜まり”をつくらない配置計画

室内ドアの気密性を確保し、音圧を減衰させるルートを設定

これらを行うと、吹き抜けの開放感を保ちながら、音やにおいの広がりを最小限に抑えられます。

特に「におい」は、換気計画が適切だと上階まで残りにくく、

24時間換気の吸気・排気位置を調整するだけで体感は大きく変わります。

■ デメリット③「掃除しにくい?」

高い窓の掃除はたしかに大変です。

吹き抜けを採用する場合は、

・メンテナンスフリーに近い窓材を使用

・カーテンではなく“光をやわらげるフィルム”で対応

・吹き抜けに専用足場がなくても清掃できる位置に窓を設置

・交換不要の高天井用LED照明を採用

こうした工夫で“そもそも掃除の手間が少ない吹き抜け”がつくれます。

■ 光と風、そして「家族のつながり」

吹き抜けが家にもたらすのは、開放感だけではありません。

たとえば、吹き抜けの上に設けた室内窓やホールの開口は

1階の空調効率を2階へ優しく伝え、

2階の熱がこもりにくい“緩やかなつながり”を生み出します。

また、ゆるやかに空気が流れることで湿度変化も穏やかになり、

家全体が安定した環境に整います。

これは実は、建物の耐久性にもプラスに働く効果です。

家族の生活リズムも、吹き抜けによって自然と程よく共有されます。

無理に声をかけなくても、

「今帰ってきたかな」「準備している音が聞こえるな」

という“気づき”が生活を自然に繋いでくれます。

完全に閉じるのでもなく、

完全に開くのでもない。

その中間をうまくデザインできるのが、吹き抜けの魅力です。

吹き抜けに落ちる光は時間帯で表情が変わります。

朝の光はさわやかに、昼は穏やかに、夕方はあたたかく室内を照らしてくれます。

照明では作れない“自然が生み出す演出”は、家にいる時間をさらに特別なものにしてくれます。

吹き抜けが気になってる方は、これからの家づくりの選択肢にぜひ加えてみてください。

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